ロイヤルコペンハーゲン① フローラダニカ

本題に入る前に・・・

レッスンが続くと、精神的に充実していても、やはり体力的には、なかなか「常に元気!」とは言えなくなってきます。

そういうときには、実際にレッスンに参加してくださった生徒さんからの嬉しい言葉を度々読み返しています。

生徒さんに恵まれていることが、一番の財産。

皆さまの優しさに触れたとき、いつもそれを実感します。









いつも有難うございます*

・   ・   ・

気持ちを鼓舞したところで。。。

いよいよレッスンもあと2回。
同時進行で、次回テーマとなっている「ロイヤルコペンハーゲン」の座学の準備も進んでいます。

ロイヤルコペンハーゲンも、たくさんの人間ドラマが、作品の数々に詰まっています。

今年はロイヤル コペンハーゲンが日本に紹介されて50年という記念の年でした。
だからこそ、私自身がロイヤルコペンハーゲンを一度 丁寧に調べてみたいと思っていたので、とても良い機会になっています。

* * *

先月の話ですが、東京に行った際にロイヤルコペンハーゲン丸の内本店で開催中だった「日本ローンチ50周年 特別展」を見に行ってきました。(現在は終了している展示です)

さまざまな歴史的価値のある作品の数々。
見ごたえがありすぎて、もはや何から記録していけばよいのか・・・。
(店内は全て写真撮影OKでした)

レッスン中の座学で伝えきれないお話もあるので、いくつかの情報は、先にブログでご紹介していこうと思います。

まずはなんといっても、「フローラダニカ」。

私にとっては憧れ的存在である、フローラダニカ。

ティーカップ&ソーサーは1客約30万円。コーヒーポットは約65万円。。。ロイヤルコペンハーゲンが1790年から多くの年月と労力をかけて制作した、”世界一贅沢なディナーセット”とも称される傑作です。

描かれているのは、エーデルという人物が刊行した植物図鑑『フローラ・ダニカ』に描かれている植物。
模写の対象となっているのが植物図鑑の花なので、よくある「花柄」とは違い、根っこの部分まで細密に描かれています。

特別展では、通常は見ることのできない、製作途中のフローラダニカも見ることができました。

今回の特別展では、実際の植物図鑑「フローラダニカ」と一緒に展示するという粋な演出も*

成型や装飾は、全て熟練の職人の手作業で行われ、金彩も合わせると、なんと最低7回も焼成を必要とするそうです。ロイヤルコペンハーゲンの商品は、現在そのほとんどがデンマーク以外の国でつくられていますが、フローラダニカは今もなお、デンマークでしか製造がされていません。

…と、このあたりのことを書き出すと、ただでさえ普段から長文なのが、さらに長くなるので(汗)、技術的な部分に興味のある方はこちらのページをご覧くださいませ。

今回はフローラダニカに関わった歴史上の人物のご紹介。

もともとフローラダニカは、芸術の保護者として名高いロシアの女帝エカテリーナ二世のために制作されたといわれています。


(晩年まで100人以上ともいわれる男性愛人を抱え、夜ごと男を変えて寝室をともにしたとする伝説もあるエカテリーナ2世。(実際は10人か多くても20人くらいだったそうですが。←それでも多い。笑)彼女に関するエピソードもなかなか面白く、いつかテーマにしてご紹介したいです。)

原画となった植物図鑑は、デンマークの領土内に自生する植物すべて(約3,000種類)を網羅することを目的とした、いわばデンマークの文化レベルの高さを示す国策ともいえる事業となっていました。

また、当時のヨーロッパでは、「磁器製造ができる国」というのは国際的威厳に関わる問題でもありました。
(その辺りに関しては、以下の記事で少し触れています。)

ひとりの薬剤師が、西洋磁器を生み出した!?【西洋磁器誕生秘話(1)】
(しまった・・・この記事の続きも書かなくては・・・汗)

磁器で植物図鑑を再現して、それを当時スウェーデンと対抗してデンマークと不可侵条約を結んでいたロシアの女帝に贈るつもりだった……というのは、明らかに国力を示す外交的な意味合いも含まれていたと思われます。

結局、製作途中であった1796年にエカテリーナ二世がこの世を去ったために、フローラダニカはロシアには渡らず、デンマーク王室の宝として、国内にとどまることになりました。


(製作途中のフローラダニカ)

このフローラダニカの製作は「王室の注文」ということもあり、磁器工場の中でも選り抜きの陶工や画工がその任に当たりました。

絵付けを担当したのは、ヨハン・クリストフ・バイエル(※バイアー、バイヤーと表記されることも。ここではバイエルと表記することにします。)。18世紀後半の最も才能のある豊かな画家・陶画家のひとりです。

ドイツのニュルンベルク出身だった彼は、エーデルの刊行した植物図鑑『フローラダニカ』に花の挿絵を描くために、デンマークのコペンハーゲンに招かれ、その後1776年に磁器工場で働き始めます。つまり、彼はエーデルの植物図鑑用に自分が書いた絵を、磁器に模写していったということになります。

バイエルは画才があるだけではなく、仕事に対する熱意も大変アツい人物でした。
花の特徴で細かいところがわからないと、植物園からわざわざ本物を取り寄せ、花の特徴を正確に写していきます。満足な照明のない時代に、この仕事をあまりに熱心に取り組みすぎた結果、次第に視力が衰え、最終的に彼はほぼ失明状態になってしまいました。

それでも彼は、約12年という長い歳月をかけて、たった一人で1802点を完成させたのです。

そんなフローラダニカが初めて王宮で使用されたのは、1803年のこと。それ以降、歴代君主の誕生日や王家の結婚式、外国要人の訪問、国家的行事の際に使用されてきました。

しかしバイエルが自分の目を代償にしながらも作り上げたフローラダニカのその後は なかなか波瀾に富んでいて、その歴史は、わざと壊されたり(!)、ホストや賓客が勝手に持ち出したり(!!)保管を担当していた人物に勝手に一部を売り払われてしまったり((>_<)!!!)、、、宴会で使用するたびに、平均1個ずつなくなっていったといわれています。

(現在は1802点あったオリジナルのうち、1530点が残っていて、ローゼンボー宮殿に大切に保管されています)
今回の特別展では、国宝となっているこのオリジナルが展示されていたのですが、私が行った2日前に展示が終了していて、見ることができませんでした・・・残念すぎます>_<


(おそらくこれが展示されていたのでしょうか?こちらのサイトから画像はお借りしました)

1863年には、アレクサンドラ王女とイギリスのエドワード7世の結婚を記念して、新しいセットが作られたのをはじめとして、バイエルの手掛けたオリジナル作品を手本に、少しずつ現在まで製作が続けられています。

外交的な目的からの製作、優秀な絵付師の存在、さまざまな出来事が絡み合ったフローラダニカ。
ロイヤルコペンハーゲン丸の内本店や百貨店などでも見ることができますので、「世界一贅沢なディナーセット」の高い技術力と美しさに感動しつつ、今回の歴史的背景を少しでも思い出していただければ幸いです*

*** おまけ? ***

ロイヤルコペンハーゲンを調べる上で参考になった1985年刊行の「陶藝の美」。
こちらに掲載されていた、作品・・・

本物を見ることができました!感動・・・!!
ちなみに こちらは、なんと売り物!!
お値段・・・税込43,200,000円!!!!ひええー

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