
先日、とある生徒さんから
「アウガルテンの名前も知らなかった無知な私ですが、亜美子さんの洋食器愛に感化されて、受講してみたくなりました」
というコメント付きで、5月に開催するアウガルテン特別セミナーへのお申込みがありました。
今回は、滋賀・京都だけでなく、明石や名古屋という遠方から、はるばるお越しくださる方々も!
もう本当に感無量です。。。
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オーストリアの洋食器ブランド「アウガルテン」は、ヨーロッパで2番目に古い歴史を持つにもかかわらず、1番古い歴史を持つマイセンや、3番目に古い歴史を持つリチャード・ジノリよりも、知名度は “かなり低い”と思います。
あくまでも、【私個人の意見】だということを強調した上で……
なぜこんなにも知られて”いない”のか。
私の考える、その大きな要因は2つ。
ひとつは、百貨店に卸していないから。
アウガルテンは、現在のところ銀座和光以外では、同じ運営会社の『ル・ノーブル』でしかお取り扱いがありません。
だから、そもそも見る機会自体が、マイセンやリチャード・ジノリなどの、ほかの歴史ある洋食器ブランドよりも少ないのです。
そしてもう1つの理由。
それは、デザインがシンプルで、パッとみただけでは「わかりにくい」シリーズが多いから。
お恥ずかしながら、これは10数年前に私自身が初めてアウガルテンを見たときの感想、そのままです。。。
綺麗だな…とは思いましたが、たとえば定番の『ウィンナーローズ』の薔薇柄は控えめですし、『メロン』は、なんでこんなにシンプルなのに、値段が高いの?と不思議に思ってしまいました。
(ウィンナーローズ)
(右にあるのが『メロン』シリーズ。ちなみにグラスは同じオーストリアの名ブランド・ロブマイヤー)
しかし古い歴史をもつブランドが、今も現存しているのは、何かしらアウガルテンが、他にはない「強み」や「こだわり」を持っていて、それを好きだと感じるファンが世界中にいるから。
そして この控えめなデザインこそが、アウガルテンならではの「強み」のひとつと言えると思います。
その辺りの話は、セミナーのときに 代理店の米山さんがお話してくださると思うので割愛しますが、、、(笑)私自身、アウガルテンのもつ「強み」「こだわり」にすっかり魅了されて、それ以来、少しずつ集めるようになりました。
それを知るだけでも、この控えめで愛らしいデザインや、シンプルながらも洗練されたシェイプに対する見え方が、ガラリと変わってくると思います。
もしかすると、新しく芽生えたその感性・価値観が、今後ほかの器を見るときにも、何かしら影響を与えてくるかも知れません。
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300年という長い歴史を持つアウガルテンの全てを、このセミナーでお話することはできないと思います。
しかし以前引用した、西洋歴史家の木村泰史さんの言葉にもあるように「美術を知ることは、その国の歴史や文化、価値観を学ぶこと」。
その言葉があらわすように、このセミナーを通して、アウガルテンをオーストリアの歴史や文化・価値観とともに掘り下げていき、アウガルテンのことを全く知らなかった方でも、表面的な良さではなく、「アウガルテンとは何ぞや」という、本質的な部分を知っていただければなぁと思っています。
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今回のセミナーは、代理店の方もゲストスピーカーとしてお越しくださる、貴重な機会。
笑い溢れる、和気あいあいとした楽しい時間はもちろんですが、それと同じくらい、もしかするとそれ以上に、《知らないことを知った瞬間の感動》が、人生を楽しむための、何よりも大きな刺激・財産になるものだと感じています。
私の場合、その楽しみを知って以来、学ぶことが、楽しくて楽しくてしょうがないのです。
もはや、学び中毒(笑)
好きなことに関しては、とことん知って、学んで、シェアしたい。
ここでようやく、タイトルにつかった本題。(遅っ!)
こんなふうに私たち大人が、「学ぶことの楽しさ」を実感できれば、ご自身の子どもにも、その楽しさを伝えられるのでは、、、
少なくとも私は、仕事好きな父を見て、「早く大人になって、仕事がしたい!」と思ってきました。
仕事だけでなく、学ぶことも、親が楽しそうにやっていれば、少なからず その姿は子どもにも影響をもたらすのでは?
親になったことのない私の、子ども目線での意見です。笑
大人になってからの新しい学びを得たい方は、「今まで知らなかった洋食器の世界」に、一歩踏み込んでみませんか?
その際は、ぜひ一期会の洋食器講座に入門してくださいませ(笑)