温故知新の旅①〜人間国宝・14代今泉今右衛門先生〜

ヨーロッパ旅行を中止(延期)して、たまらなく魅力的だった草津での飲み会もお断りして、今年2回目の有田へ行ってきました。

ひとり旅の一番の目的は、人間国宝・14代今泉今右衛門先生とお会いすること。

なぜ今右衛門先生とお会いしたいと思ったのか。
なぜ先生と会うことができたのか。

言うまでもなく、見ず知らずの人が気軽に、1対1でお会いすることは、まずできない先生です。

ちょっと長くなりますが(いつものことですが…;)記録しておきます。

* * *

きっかけは、私の大学での研究内容でした。

それは、

「東西陶磁史の啓蒙活動を通した陶磁器産業活性化の検証」

要は

陶磁器の持つ、(目に見えない)ストーリーを「伝える」ことで、斜陽化の進む陶磁器産業活性の一翼となれないかを検証しようとしているものです。

これは、まさに私が先日投稿した新事業「カリーニョ」にも繋がってくる研究なのですが。。。

本当に「伝える仕事」が今の陶磁器産業に必要とされているのか。
その確証を模索している中で、とある資料で見つけたのが、14代今右衛門先生の某講演会での言葉でした。

今右衛門先生はその時の講演で、

父(13代)と兄と3人で、父が亡くなった後をどうするか、その話し合いの時に、作るほうと、人に知らしめる仕事、両方が必要だと。
それは両方そろわないと、この仕事は続けていけないからということで、兄が「自分は作るよりも商売の方をするから、作るほうはお前に任せる」となったのです

とおっしゃられていたのです。

「14代は長男さんではなく、次男さん」ということにも少し驚きましたが、それより何より、先生が

「作り手」だけではなく「語り手」も必要

という考えをお持ちだということに、私がこれからやろうとしていることの意義を見出せそうな、一筋の光を見ました。

そこから、今右衛門先生の想いが綴られた文献を取り寄せ、今右衛門先生の作品だけでなく、先生ご自身の人生哲学…生き方、在り方にも非常に感銘を受けていた中で、、、「吹屋ベンガラ」の話に繋がります。

(吹屋ベンガラに関しては、ぐるなび「ippin」のコラムにて私の想いをかなり凝縮して書きました。もしよかったらご一読いただけると本当に嬉しいです*)

実家にあった資料から、今右衛門先生が、吹屋に残されていたベンガラの原料を 今も使われていることを知り、もう何としてでもお会いして、お話を直接伺いたいという気持ちが溢れて、私の想いをしたためたお手紙を、数か月前に送りました。

そして今回、念願かなってお会いすることができた次第です。

本当に感無量。

聞けば、私が学生であったこと、そして吹屋にルーツを持っていたということが、お会いできる決め手となったようでした。

自分ひとりで行動していたつもりが、ご先祖様に助けられたのだと…

だからこそ、どうしても今右衛門先生にお会いする前に、吹屋に訪れ、ご先祖様に感謝したいと思っていたのです。
(お盆休みに行った吹屋の話はコチラ)

今右衛門先生とのお話の内容は、あえてここでは詳細を書きませんが、、、。

これから私が進んでいく未来が、正しいのか、成功するのか、答えは「やってみないとわかりません」。

でも、自分自身で、自分の可能性を信じて、その信じる道を少しずつ歩む、ただそれだけの話。

それでも今回、陶磁器産業における第一人者・雲の上の存在である方とゆっくりとお会いし、お話を聞く機会に恵まれたことで、これから私がやっていくことは「間違った方向には向いていない」と自分の中で思えることができました。

お会いしてよかった。
お会いできたことで、また一歩前に進めた気がします。

非常に意味のある時間を過ごせましたが、
有田ひとり旅、、、もう少し続きます。

次回は旅の後半【温故知新】の<知新>編を記録します*

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